保健室に初めて行く時、ちょっとドキドキした人もいるはず。
「こんなので行っていいのかな?」
「何て言われるだろう…」
「いや、行かなくていいかも??」
保健室へ何度も来ている児童・生徒なら養護教諭の事も知っていて入りやすい。
でも、何となく保健室へ来室しにくいと思っている子も実際にいる。

保健室からどんな工夫ができるかな?
詳しく見てみよう!

みんなが保健室に来室できる?
タイトルの意味がわからない人は多いんじゃないでしょうか。
保健室って「みんなが来室するところじゃない?」そう思ってませんか?
保健室には、切り傷や擦り傷、打撲捻挫と外科的な対応をすることはもちろんのこと。
腹痛や頭痛、発熱などの内科的な対応もしますよね。
怪我の手当て、体調不良の対応、全ての子どもたちがSOSを先生方に伝えられていないんです。
- 保健室にこれくらいで行っていいんだろうか…
- 保健室に行くとサボりと周囲に思われないだろうか…
- 保健室の先生に追い返されないかな…
と、いろんなことを考えて先生方に伝えられない子や来室できない子もいるのです。

もっと気軽に入っていいんだよ!
しんどかったよね、そんなに我慢しなくていいんだよ!

と思うこともしばしば。
では、私達はどうすればいいのでしょうか。
健康観察
みなさん健康観察について、ご存知ですか?
健康観察は、養護教諭だけがするものではありません!!
朝の会やクラス、授業中にも先生方は行います。
先生方も子どもたちのことを(健康)チェックしているんですよ!
先生方からのパスを養護教諭は受け取り、
子どもたちの対応をする中で不安や心配なことなどを抱えていないか、
心のSOSサインは出ていないか探します。
例えば、保健室来室者の中に吹奏楽部でしんどいと言っている生徒が来た。
なぜしんどいのか聞いてみると
- 部活に休みがない
- コンクールが近い
- オーディションがある
- 先輩が怖い
- ○○さんと上手く行かない
など「しんどい」の裏には多くのことが隠されています。
それを聞いて
「吹奏楽部の子たちはちょっとお疲れ気味」と頭に置いて置く。
放課後練習が始まり、校内で楽器を持って歩いている吹奏楽部の子の様子を観察するとどうやら他の子も疲れているように見える

コンクール近いのね!無理しすぎないようにね~!
と声をかけることで「見ているよ」というメッセージを伝えることもできる。
保健室を来室してくれる子は、自分でSOSを少なからず発信できています。
来室しない子、できない子の方が私は心配でたまりませんでした。
来室しない子へのアプローチ
だから…
掲示物、保健だよりを使い発信する。
時に、校内を巡回し子どもたちの様子を自分の目で確認する。
保健室の先生と話したことがない、どんな先生かわからないから、SOSを出せなかったということがないように。
自分からできる限り子どもたちに歩み寄るよう努めていました。
あなたが養護教諭になった時、子どもたちにどのように発信しますか?
今、現役で働かれている先生方、子どものSOSサイン見逃さないでください。
一瞬を見逃してしまうと、心の扉に硬い鍵をつけて開けられないようになってしまいます。
それは、外科的内科的のSOSサインも同じです。
養護教諭は、毎朝の健康観察を記録として担任や先生方から預かります。
その記録に毎日、目を通し、全校児童生徒の健康を確認しているのです。
記録を信頼しているからこそできることです。
養護教諭を代表して、いつも丁寧に記入していただき、本当に有難うございます。
丁寧な記入があるからこそ、保健室での対応も瞬時に判断できています。
さあ、今回の内容は、リアルな保健室、学校のお話を少しさせていただきました。
まとめ
大きな事故を防ぐためには、日々の信頼関係の構築から。
保健室へ来室できる子だけではなく、できない子へのアンテナも忘れずに。
保健室に頻繁に来室する「わかりやすい子」だけではなく、学校全体をよく見て「SOSを発信できていない子」をこちらから救っていくことも大切な仕事です。