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【失敗談】「わからないことがあったら聞いてね」の残酷さ

【失敗談】「わからないことがあったら聞いてね」の残酷さ

あまり語られることのない失敗談。
新卒すぐから学校現場で働き始めた私ですが、もちろんたくさんの失敗をしてきました。
大学では教えてくれなかった「学校独自ルール」
ずっと教員で働いている人にとっては「当たり前」すぎてわざわざ「説明するほどの事ではない」ことにされている当たり前ルールの数々。

そんな職場で戸惑った失敗談を書いていこうと思います。

上手く行かない、失敗しちゃった…。
大丈夫です。私も色々やらかしてます。(笑)

ハピスマ

恥ずかしながらこんなこともありました…

出勤簿ルール

出勤してすぐ教頭席の横にある出勤簿に印鑑を押さないといけない

初任校に勤務して数日後、事務の人に呼び出された。

「印鑑持ってないの?」
「持ってます!」
「じゃあ、何で出勤簿押してないのよ‼」

あまりに急なことだったので頭の中にはハテナがいっぱい。
あれ?私そんな悪いことしたのかな?と早速落ち込んだ。

「そんなことも知らないの?わからないことがあったら聞いてって言われてたじゃない!」

と強めに言われた。

ハピスマ

すみません

謝罪し、印鑑を押し事務室を後にするも…

わからないことがわからない。本当に知らないことは質問のしようもないじゃない。」
と怒りよりも虚しさを感じた。
あぁ、そうか。学校ってこういう組織なんだ。と理解した。

勤務校には数人の着任者がいたが、その中で「新卒」「未経験」は私だけ。
朝出勤したら、まずは教頭席の横にある出勤簿に押印を。というのは学校組織の自明らしい。
そんなこと大学や初任研で聞いてない。
周りを見てというが、職員室にいるのは朝礼の時ぐらい。
ずっと職員室に居れば気付いたのかもしれないが、保健室で仕事をしていたので他の教員の動きはわからなかった。
まわりは「そんな初歩的な事」と言うが、「そんなこと」さえ外から初めて来た人間にはわからないのだ。

「わからないことがあったら聞いてね」確かに言われた。
でも「わからないことがわからない」のだから質問もできない。
「知りませんでした。」と言えば「聞かないからでしょ。」と言われる。

「言ったでしょ?」がどれだけ残酷な言葉か思い知った。

学校という組織

そう、ここは学校。
働いている人は皆、子どものほうを向いている。
1年目だろうが何だろうが、そこに「大人」として「教師」として存在する以上「失敗」は許されないのだ。

新卒1年目の私は委縮するしかなかった。
外から来た新しい目は「これ、おかしくない?」「なんでこんなことしてるの?」と純粋に色んな疑問が湧いてきたが「例年通り」「昨年に引き続き」という言葉でかき消され染まっていく。

働いて数日で「疑問に思っても仕方がない。どうせ年配の先生が全てを決めていくから何も変わらないんでしょ」と悟り、諦めた。

教師も大量採用の時代は同年代も複数人いただろうが、今の学校組織は日本の人口比率と同様“上が重い”。もちろん経験に裏付けされたステキな教師もいるが、学校の変化を止めている教師は多い。
「自分ができないことはしたくない。今までしてないのに、今更。あと数年で定年だし逃げ切りたい。」
なんて言葉も聞いたがその通りの態度だったと思う。

IT教育を進めていこうとしているのは若手の実感を持っている教師。
そして、その必要性を感じている少し上の教師。
もちろん年配でも「わからないから」と若手に聞く姿勢を持った素晴らしい教師にも出会った。(私の近くには「わからない、できないから」とPCの設定から丸投げしてくる人も数人いたことは伏せておく。)

まずはこの「学校と言う名の閉鎖空間」を今まで見ていた生徒の目ではなく、教師として見ていかないといけないんだな。と恐怖を感じた。

知らなかったことで嫌味を言われても、きつく言われても、仕方がない。
ここはそういう世界なんだ。

でも…

たとえ「たったそれだけのこと」であっても、ずっと働いていくうちに「常識」となり、疑問に思っていたことさえも忘れてしまうのだろう。

私が働いている間「未経験・新卒」の人には出会わなかったが、今後会う時には自分のような経験をさせたくないなと強く思った出来事だった。

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ハピスマ

元正規養護教諭┃養護教諭を目指す人、現役・退職養護教諭の情報の場┃全国の養護教諭皆で作る笑顔があふれる『保健室』のような場所を目指す┃Smile‟S”のSにはそんな思いが込めました┃ぜひお気軽にコメントを!

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