養護教諭になって毎月発行するほけんだより。
季節はもちろん校種や学校の様子によっても保健だよりの内容も変化します。

みんなに読んでほしい!
そう思って作っている保健だよりですが、子どもや保護者は読んでくれているでしょうか?
また、保健だよりに書いてあることは伝わっているでしょうか?
この記事を読んで、わかりやすい保健だより、読んでもらえる保健だより作りのヒントにしてもらえたらと思います!
ほけんだより発行の目的
ほけんだよりを発行する目的は、色々あります。
発行するときに考える例としては
<内容>
- 季節
- 保健教育の方針
- 学校の規模や実状にあわせる
- 養護教諭の気付きを生かす
- 児童・生徒からの疑問に答える
<対象>
- 子ども向け
- 保護者向け
- 教職員向け
必要に応じて使い分けている場合が多いです。
健康問題やからだの学習について取り入れるのは、ほとんどが子ども向けのほけんだよりですが、全てのほけんだよりに取り入れる必要はありません。
例えば、インフルエンザが流行していて学級閉鎖が行われている時は、「してほしいこと」「してはいけないこと」を子どもたちに伝える必要があります。
日々の保健室業務で子ども達のことをよく観察したり、学校での変化を感じ取ることのできる養護教諭ほど保健だよりに書きたい内容がわいてくることでしょう。
たいていの場合は毎月発行する保健だよりの大きさは決まっています。(長期休暇の前は注意事項も含め大きくしたり、裏表印刷にしたこともあります。)
伝えたいことがたくさんある場合は、「今の目のまえにいる」子どもたちにとって必要な情報はなにか?を第一に考えます。
話題を書き留めておく
ほけんだよりの内容は、ある程度、養護教諭が自由に書くことができます。
しかし、いざ書こうとすると何を書けばいいかわからないと言うこともあるでしょう。

私の実践事例をお伝えします!
年度初めにもらう「教務手帳」に予定などは書きこんでいるかと思います。
私はそこに日常の生活や仕事をする中で気付いたことや、子どもの何気ない言葉・疑問を拾ってメモ書きしていました。
ニュースの中でも感染症の事やスマホ問題などは高校で勤務している時には生徒たちも興味があるようで、
「○○(感染症名)ってニュースでやってたけど、そんなに多いの?」
「うちの学校でもいる?」「どんな病気?」と言う会話がでると「よし!次の保健だよりに書いてみよう!!」と意気込んだりもしていました!
(※病気についての発信をするときには正しい情報を求められるので、最新の情報で出典が信用できるところを調べ、まずは自分が学びなおし、まとめなければなりません)
新聞や本の中で出会う「こころがほっこり」したり「こころが温まる」言葉も好きで集めていました。
私が大好きな本を紹介します
(まさかの発行が20年前で驚きました。もう見つからないかもしれませんが💦 イラストも可愛く大好きで、自分が落ち込んだ時にも見返していました。)
保健だよりにスペースが出来た時に書いておくと、意外と子どもたちは見てくれます。
「見つけた!」と言う印象で記憶に残るのか「あの言葉、私も好きだわ!」と言ってくれた時には、保健だよりが読まれているなと手ごたえを感じられました。
保健だよりとして発行するための話題探しの例として、
- 最近ニュースで話題になっていること
- 子どもたちのが実践できること
- ふと思い出して話したくなること
- 実生活の役に立つこと
- 心が軽くなること
と言うイメージでネタ探しをすると書きやすいと思います!
発達段階を考慮する
養護教諭として配属されるまで幼稚園~高校までどこに行くかわかりません。
そのため、大学の授業では小学生むけ・中学生向け・高校生向けと対象を変えて保健だよりを何度も作成する練習をしていました。
高校と言っても特色のある教育をしているのか、進学校なのかなどによって生徒も様々です。
残念ながら、子どもたちの発達段階に合わない保健だよりは容赦なく読まれないままになってしまうこともあります。
そのため、子どもたちが「何かおもしろそう!」「楽しそう!」と興味を持ってもらえるテーマ選びとレイアウトやイラストが大切になってきます。
発達段階の考慮として注意すべきこと
- 小学校低学年→見て分かり、体験につながる内容を選択
- 小学校高学年→抽象概念の理解は個人差が出てくるのでわかりやすい言葉を選ぶ
- 中学生→論理的になるので、データを提示するなど様々な観点からアプローチする
- 高校生→正しい情報を提供しつつ、自分で判断し自立できるよう促す
教師への配布時
養護教諭がどれだけ心を込めて作っても、実際に保健だよりを子どもたちに配布してもらうのは担任の先生方です。
気をつけないとたくさんの配布物の中に埋もれてしまうことも…。
そのため、保健だよりを教師に配布するときに1度先に目を通してもらえるようお声がけをしていました!
小学生であれば先生から配布してもらう時に目を通してもらえるよう、指導の方法(ここだけは読んで伝えてほしい・ここは子どもに読ませてほしい等)をお願いします。
また、中学・高校では職員室で教員の机上に配布することも多いですが、担任への連絡として感染予防について書かれているのでクラスで徹底できるように指導をお願いすることもあります。
養護教諭として働き始めた若い頃は声をかけるのも「申し訳ない」と思ったり、冷たく「そこ置いてて」何て言われることもありました。
担任の先生方がとても忙しいのも理解しているので、極力お手すきの時に声をかけるように心がけていました(よく言う‟お手すき”のタイミングなんてほとんどないことは現場でわかっています…苦笑)
養護教諭から児童生徒全員にメッセージを送れる月に1度のチャンス。
健康に関して発信できる貴重な機会のほけんだより。
子どもたちの健康・安全を考えて一生懸命作ったほけんだよりが、しっかり子ども・保護者に読まれるような工夫をしていきましょう!